着られなくなったスーツを処分する4つの方法と処分の決め方

スーツのような衣類はメンテナンスを丁寧に行えば長く着用できますが、不要になったり、着古してしまったりしたものは適宜処分することになります。

布のみであれば燃えないごみとして処分する方法がありますが、下取りサービスに出せばただ処分するだけではなく、買い取ってもらえる可能性があります。

ここでは、着られなくなったスーツの処分について4つの方法をピックアップして紹介します。下取り以外にもおすすめの方法をチェックしていきましょう。

スーツの処分方法4選

スーツの処分方法は、大きく分けると「下取り」「買い取り」「寄付」「廃棄」の4つが挙げられます。不要になったものは廃棄するのが一般的ですが、それ以外の方法も知っておきたいところです。どのような方法で処分を進めていくのか、詳しくみていきましょう。

方法①下取りに出す

「下取り」とは、古くなった物を買い取ってもらい、そこで得た代金を新しい物の購入代金に充てる方法です。

車や宝飾品などさまざまな物が下取りに対応していますが、スーツの場合は新しいスーツを仕立てるか、あるいは既製品を購入する際に元の価格から下取り料金を割り引いてもらえます。

なかには現金だけではなく下取り料金を店内で使えるクーポン券や割引券、またはポイントとして付与するケースもあり、下取りで得た対価を活用する方法は店舗によって異なります。

スーツ量販店

リーズナブルなスーツを扱う量販店では、新品のスーツを購入する場合に下取りサービスが利用できます。割引率も比較的高めに設定されている場合が多く、新品のスーツを量販店で購入する場合は下取りを受けておくと安く購入できるでしょう。

量販店で扱っているスーツは専門店ほど高額ではないため、新品価格でも手に入れやすくなっています。そこに下取りを加えることで、さらにスーツの価格が安くできる可能性があります。他社製品が下取りできる店舗では、量販店以外の場所で購入したものも持ち込み・査定が可能です。

デメリットとしては、店舗ごとに割引キャンペーンのタイミングが異なり、割引率や下取り可能な個数が限られるといった制限がつくことがあります。

衣料品専門店

スーツ以外の衣料品も扱う専門店では、スーツ以外の衣料品の下取りサービスが利用できます。ネクタイやベルトはスーツブランド以外のものでも可能としている店舗も多くみられます。

専門店では、下取り後にスーツ類だけを購入する必要はありません。下取りで割引サービスを受け、クーポン券や割引券をもらって店内のさまざまな商品の購入に充てることができます。この点はスーツ量販店にはない特徴といえるでしょう。

デメリットとしては、割引率がスーツの量販店よりも低い場合があります。下取り価格自体が安く設定されているケースや、下取りサービスを行っていない店舗もあるため注意が必要です。

スーツ専門店

スーツの専門店は、ブランド品を中心にスーツ類を扱っている店舗です。量販店のようにノーブランド品までの取り扱いが少なく、オーダーメイドやセミオーダーメイドといった採寸サービスも受けられます。

スーツ専門店の下取りサービスは、店内の商品にあわせてブランド品に限られるケースが多い一方、ノーブランド品の下取りが可能な店舗もあります。量販店や衣料品店より高く買い取ってもらえる点がメリットです。

デメリットとしては、スーツの状態によって下取り価格が変わることに注意が必要です。スレやほつれがあると下取り価格に影響する可能性があるほか、ブランドのスーツでも型落ちしているものは必然的に下取り金額が安くなってしまう場合があります。

方法②買い取りを依頼する

2つめの方法として、ブランド品の専門店・衣料品専門店・ネットオークションやフリマアプリに買い取りを依頼する方法があります。

専門店は店頭への持ち込みが基本ですが、ネットオークションやフリマアプリはパソコン・スマートフォンを使ってオンラインから買い取り依頼ができます。

ブランド品専門店

ブランド品の専門店は、需要の多いブランドを中心に幅広い製品の買い取りを行っています。一例として、時計やネクタイピンなどの貴金属は高級ブランドやゴールド・シルバーのような金属製のアイテムを中心に高額買い取りが期待できるでしょう。

ブランド品専門店のため、ノーブランドのスーツについてはほとんどが買い取り不可となります。一方で、衣料品専門店やスーツ専門店では安く下取りされる可能性もある型落ちタイプのブランドスーツ類は需要に応じて買い取り価格が変わるため、高く買い取ってもらえる場合も。

デメリットとしては、ブランド品以外に買い取りが不可であること、ブランド品といっても世界的なメーカーや一流ブランドのみが高額買取の対象になり、それ以外は一般的な査定にとどまってしまう可能性などが挙げられます。

衣料品専門店

衣料品専門店でも下取り以外に買い取りサービスを行っている場合があります。特に古着を扱うショップでは、スーツ類の需要も見込んでいるため買い取ってもらえる可能性があります。

下取りではなく「古着の買い取り」などとしてサービスが受けられ、スーツ専門店ほど詳細な査定が行われるとは限りませんが、ノーブランドのスーツでも買い取ってもらえる可能性があるため、ブランド以外のアイテムを持っている場合は買い取り形式で処分を検討すると良いでしょう。

ただし、衣料品を扱っている店舗すべてで買い取りを行っているわけではなく、古着の専門店や「サスティナブル」に関連した取り組みを行っている企業に限られるため、自宅の近くに店舗が見つかりにくいケースがデメリットとなります。

下記の記事では、スーツの下取りや買取について解説しています。あわせてご覧ください。
関連記事＞＞スーツの処分方法・下取りや買取・捨て方まで

ネットオークション・フリマアプリ

ネットオークションやフリマアプリは、オンライン上で買い取りの交渉や募集が行えるサービスです。オークションでは価格が自由に設定できるため、古いスーツや型落ちのスーツでも相応の価格を設定すれば買い手がつきやすくなります。

フリマアプリはオークションと同じように価格を設定して出品できるサービスです。オークションのように価格が入札によって上がるものではありませんが、オークションよりも割安な価格にすることで売却が有利になる可能性があります。人気の高いデザインなどは、一般の量販店やブランド品店で下取りや買い取りを受けるよりも高く売れる可能性があります。

どちらも自分で出品をしなければならず、出品から落札・購入までに期間があく可能性もデメリットになるでしょう。

方法③寄付する

着なくなった洋服類は、NPO法人や被災地支援団体を通じて寄付ができます。この場合買い取りや下取りのように換金はできませんが、着払いで送れるサービスなどもあり、持ち込みだけではなくオンライン申し込みの後で郵送することも可能です。

クローゼットに眠っていた洋服などと一緒にしたり、スーツ1着からでも処分の代わりに寄付をしたりできるので、金銭を介せず必要なところに必要なアイテムを届けられる方法として検討したいところです。

ただし、虫食いや着古しによってボロボロになるほど摩耗したものは断られる可能性があります。団体によってはスーツ類の受付を行っていない場合もあるため、ホームページやブログで確認のうえ、電話やメールでも問い合わせをして確認しておくと安心です。

方法④廃棄処分する

最後の方法として、買い取りも寄付もできないものは廃棄処分を検討します。廃棄の方法は可燃ごみ（一般ごみ）として処分するか、または資源ごみや廃品回収に出す方法も選べます。

地域によってスーツの処分方法が異なるケースもあるため、お住いの自治体の処分方法をチェックしましょう。

資源ごみ

資源ごみとしてスーツを出す場合、「古着」「古布（こふ）」として金属類を取り除いた布の部分をごみに出します。

スーツ単体でも資源ごみとして扱われるため、外から見てわかるように透明な袋に入れ、口をしっかりとしばってゴミ捨て場に置きます。ベルトやネクタイピンは外し、不要であれば不燃ごみとして資源回収とは別の日に廃棄してください。

資源ごみは古着・古布の資源回収として、月に1回程度の頻度で回収されます。日にちが決まっているため、指定の日に指定の袋に入れてゴミ捨て場のわかりやすい場所に置いておきましょう。そのまま屋外に置いておくと鳥に袋が破られてしまう場合もあるため、網やケースが被せられるゴミ捨て場を選びましょう。

可燃ごみ

可燃ごみ（燃えるごみ）として処分する方法も、資源回収と同じく一般的な方法です。可燃ごみは買い取り・下取り・資源回収・寄付のいずれにも当てはまらない場合の最終的な選択肢になります。

綿やナイロンのような燃える素材の布はすべて焼却処分ができるため、一般ごみの回収日に自治体専用の袋を使って捨てます。可燃ごみにも金属類を含めることはできませんので、ネクタイピンやベルトのような外せる金具はすべて外してください。

ただし、ファスナーやその他の細かい部品に使われている金属のなかには自力で取り外しができないものがあるため、それらは燃えるごみとして布と一緒に処分できます。

廃品回収

資源回収とは別に、廃品回収に出す方法もあります。こちらは資源回収や可燃ごみのように、各自治体ではなく個人の事業者や自治体から委託された事業者が請け負うケースが多くみられます。

廃品回収は事前の申し込みが必須です。スーツを含め、回収に出すものをすべて伝えたうえで所定の回収料金を用意します。業者ごとの料金設定や点数によって回収料金が変わるため、費用は事前に尋ねておくと良いでしょう。

所定の日に業者が回収にやってくるため、袋などに入れてわかりやすい場所にスーツを置いておきます。スーツ以外にも回収可能なものをまとめられるので、可燃・不燃・リサイクル品に関わらず一斉に処分できる点がメリットです。

スーツの処分方法の決め方

スーツは丁寧に着れば5年以上使えるアイテムです。しかし衣類である以上、大切に使っていてもだんだんと古くなり、ブランド品は型落ちしてしまいます。どの段階で処分するかについて、2つの決め方をみていきましょう。

下取り・買い取り・寄付になる場合

下取りや買い取りのように換金の手段になる場合は、ヨレヨレ・ボロボロになっておらず着古された感じがないスーツがベストです。店舗側はクリーニングをかけて第三者に販売を行うため、少しでも新しいものが理想的なのです。

ただし、年季の入ったアイテムでもオークションやフリーマーケット上では買い手がつく可能性があるため、需要があるかどうかリサーチをしたうえで出品すると良いでしょう。

下取りにも買い取りにも出せなければ、寄付を検討すると良いでしょう。ただし寄付の場合も擦り切れているものなどは第三者の着用に適していない可能性があります。補修不可能な傷がある、落ちない汚れがあるようなスーツも、廃棄されるリスクがあります。

廃棄処分になる場合

廃棄処分になるケースとしては、以下の5つのポイントを順番にチェックして判断しましょう。

【スーツが廃棄処分になるケース】

• 状態が全体的に悪い
• 補修や洗浄ができない傷汚れがある
• 生地が擦り切れてしまっている
• 買い取りや寄付を断られた
• 洗ってもとれない臭いがついている

全体的に状態が悪ければ、そのスーツは廃棄処分となります。買い取れないと言われたり、寄付には適していないと判断されたりしたものも、資源回収などの方法で廃棄を検討しましょう。

補修できない傷汚れやとれない臭いが付いているものも、買い手がつかず寄付にも適していないと判断できるでしょう。特にタバコ・ペット・汗・防虫剤の臭いが付着しており、時間が経ってもそのままであれば廃棄を行ってください。

目立った汚れや臭いがなく、生地も擦り切れていないものであれば、まだ買い手や寄付ができる可能性はあります。ブランドアイテムについては、仕立直しやリメイクで再利用する方法も検討できるため、いくつかの方法を試してから廃棄処分を考えても良いかもしれません。

下取り・買い取りに出す際のポイント

下取りや買い取りでは、スーツの品質・状態がチェックされます。基本的にどの店舗でも、スーツがどの程度着古されているかを見られるため、以下に紹介するポイントをチェックしたうえで店舗へ持ち込みを行いましょう。

ポイント①シワ・汚れをなくす

1つめのポイントとして、シワや汚れは可能なかぎりなくしておきましょう。コーヒーや調味料、油や整髪料がついたまま放置するとシミになってしまいますが、小さなものでもシミが見つかるだけで査定にはマイナスに影響してしまいます。

汚れが見つかったときは自分で洗濯をするのはNG。ノーブランドだからといって洗濯やアイロン掛けを自分で行うと、ほつれやシワができてしまうおそれがあります。スーツを扱っているクリーニングに出してから、シワもきれいに取り除いた状態で下取りや買い取りに出すようにしましょう。

オークションやフリーマーケットに出す際にも、シワや汚れは無いほうが喜ばれます。少しの汚れでもクレームがつくケースがあるため、小さなシミがあり取り除けないような場合は、その部分の鮮明な写真を出品と同時に掲載します。

また、ペットを買っている家ではスーツに犬や猫の臭いがついていても気づきにくく、そのまま査定や下取りに持ち込みやすいため注意しましょう。オークションやフリーマーケットでも同様のトラブルがみられます。

店舗に持ち込みをするまでの間、保管は直射日光や湿気のある場所を避けてほこり・シワがつかないようにカバーをかけておきましょう。カバーまで丁寧にシワなく扱う必要はありませんが、防虫剤や芳香剤の香りがつかないように注意してください。

下取りや買い取りを複数店舗にかけて行うときは、来店期間がそれぞれ空かないようにしましょう。期間が空かなければ査定にも響きにくく、影響を最小限に抑えられます。

たとえば1店舗目を訪れてから2店舗目との間が長期間空いてしまうと、その間にスーツが劣化するおそれがあります。保管の手間もかかり、保管中に汚れや臭いがついてしまうリスクもあります。なるべく最短で複数の店舗で見積もりをとるようにしましょう。

下記の記事では、スーツがシワになりにくい畳み方について詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
関連記事＞＞スーツの正しい持ち運び方5つと畳み方のポイント

ポイント②付属品も一緒に出す

スーツに付属しているアイテムは、すべて揃えて店舗に持ち込みましょう。買い取りが行われるときは、スーツの買取価格とは別にアイテムごとに下取り価格の基準に照らし合わせて価格を出し、すべてを合算した金額が現金やポイント、クーポン券として手元に戻ります。

下取り・買い取りに出せるアイテムは大きく分けて以下の通りです。

【下取りや買い取りに出せるアイテム】

• ベスト
• ハンガー
• 予備品（生地やボタン）
• スーツカバー
• ネクタイ
• ベルト
• ワイシャツ
• 靴
• ネクタイピン
• カフス
• ポケットチーフ
• 保証書
• 箱や紙バッグ

ブランドスーツに多い専用ハンガーやスーツカバー（ガーメントケース）のようなアイテムは、スーツを下取りや買い取りに出す際に一緒に添えておきましょう。

高額なブランドのスーツでは、購入したときについてきた箱や保証書、紙のバッグもあると正しいブランド製品という証明になり、高額査定に繋がる可能性があります。

スーツを仕立てたときに一緒に揃えたワイシャツ、ネクタイといったアイテムも上下のスーツと一緒にすると査定価格がプラスになりやすく、コーディネート品一式が揃っていると安心です。

ただし、スーツと同じくネクタイやポケットチーフにも自宅や芳香剤、防虫剤の臭いが移りやすいため、手に触れる小物類はすべてクリーニングまたは除菌・消臭を行っておきましょう。

古着買取店のように、あくまでも古着のみを買い取っているような店舗ではすべての小物を揃える必要はありませんが、ホームページや店頭の説明で「一式揃っていると高値買取になる」といったお知らせや文言がみられる場合は、上下＋小物を揃えておくと良いでしょう。

スーツの処分は買い取りや下取りから

今回は、着られなくなったスーツを処分する際に検討したい買い取り・下取りの方法や検討の仕方、寄付も含めたその他の手段について紹介しました。

スーツを処分しようと考えたときは、ただ廃棄するのではなく他の手段が選べないかを検討しましょう。店舗での買い取りが難しくても、フリーマーケットやオークションを活用した販売によってお金に替えられる可能性があります。

廃棄物を減らすためのリサイクルやサスティナブルを意識した取り組みが広く行われている関係で、衣料品店や古着店でもスーツの買い取り・下取りキャンペーンが実施されています。お近くの店舗やスーツを購入したお店の案内もあわせてチェックしてみてはいかがでしょうか。

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