ビキューナ、カシミア、ベビーカシミア。世界の高級繊維と、ウールのこと

スーツを愛する当店のお客様は、さまざまなこだわりを持っていらっしゃる方が多いですが、よく「高級スーツって何が違うの?」「コートが100万円?なぜ?」と聞かれることがあります。デザイン、パターン、カッティング、縫製、歴史、職人のこだわりなど、語り出せば幾晩あっても足りませんが、わかりやすいところで言うなら、まず生地が全然違います。
このページでは、特に高級とされている動物繊維、カシミア、ベビーカシミア、ビキューナ、そしてウールのスーパー表記について説明します。

そもそも、高級な生地・良い素材とは?

多少乱暴な言い方ですが、「繊維が細ければ細いほど高級な生地」と言われています。
糸の太さではなく、糸の元になる繊維の太さです。
繊維は細いほど、しなやかさ、滑らかさ、光沢が出ます。最も細い天然繊維であるシルクは、独特の手触りです。東レや帝人ファイバーなどの企業は「世界で一番細い繊維」を作ろうとしていますが、細い繊維=しなやかで美しい生地になるためです。

繊維の細さに加えて、スケールの美しさも大事なポイントです。
スケールとは、動物の毛の表面を覆うウロコ状の物質。人間の髪で言うキューティクルです。動物繊維は、このスケールの隙間から湿気を吸ったり吐いたりしています。このため、ウールやカシミアは皺になりにくく、皺がついても吊しておくだけで皺が伸びるのです。また、スケールは水や汚れを弾き、繊維のうねりも作り出しているので保温性アップにも貢献しています。
軽くて暖かい上に、毎日洗ってアイロンをかけなくても清潔で見た目もきれいということで、動物繊維はスーツにぴったりというわけです(ポリエステルはウールの見た目を模しており強度も優れていますが、スケールがないので吸湿しません)。
このスケールの肌理が整っていると、動物繊維の性質が遺憾なく発揮されますし、見た目や手触りもよくなります。いわゆる「チクチクするセーター」は、スケールの不揃いが原因です。

ところで、糸の細さは数字で表すことができますが、スケールの美しさは基準がありません。結局のところ、生地は触ってみないと!!……なんですが、名前だけである程度信頼できる高級素材について触れていきたいと思います。

繊維の宝石、カシミア

寒冷な高山に住むカシミア山羊の、顎からお腹にかけて生えている、柔らかい毛だけを採取した繊維です。
繊維の細さは15〜15.5ミクロン。

ウールよりもふんわりと暖かく、光沢があります。
インドのカシミール地方がその名の元になっていますが、ネパールのヒマラヤ地域を始め、中国の北西部の広い地域がカシミアの産地となっています。
山羊一頭から150〜200グラム程度しか採取できないため、高価です。

カシミアには、まがい物が多いことでも有名です。ウールを混ぜるなど完全に別物を入れている場合を除いては、何がカシミアで何がそうでないかを、明確に見分けることが難しいからです。名称もいいかげんなもので、パシュミナ、ピュアカシミアといったさまざまな表記がありますが、定義は不明確。
いずれの繊維もそうですが、加工工程によって品質にばらつきが出ます。カシミア山羊の写真を見ていただくとおわかりでしょう。「毛のすべてが細かいフワフワ」ではありません。柔らかい毛だけを選別して不純物を取り除かなければ、最高品質のカシミアにはならないため、信頼できるメーカーの生地を入手するのが一番です。

生後一年以内に採取される、ベビーカシミア

カシミアのさらに上のランクとされているのが、ベビーカシミアです。
これは、生後一年以内の赤ちゃんカシミア山羊からだけ採取した繊維です。

繊維の細さは13.5ミクロン。

カシミアが繊維の宝石なら、さしずめベビーカシミアはダイヤモンドのような存在です。とろけるような柔らかさで、非常に繊細な手触りです。
生後一年以内の山羊から採取するということは、一度も生え替わっていない最初の毛ということ。冬の間、寒さから身を守ってきたフワフワの毛は、春になると生え替わりの時期を迎えます。その毛だけが採取されます。
山羊一頭からわずか30グラムしか採取できないため、とても希少性が高い繊維です。

ベビーカシミアを作ったのは、ピエール・ルイジ・ロロ・ピアーナ。中国で子ヤギの繊維に惚れ込んだ彼は、山羊飼いにその選別を依頼。しかし、その説得に10年かかったそうです。さらに、入手した繊維から生地にする製法をイタリアで編み出すまでに、10年の歳月がかかっています。

神々の繊維、ビキューナ

ビキューナとは、アンデスに住むラクダ科のビキューナ/ビクーニャ(Vicugna)の繊維です。ビキューナはアルパカやラマの親戚のような動物で、カシミア山羊と同じく寒冷な高地に生息しています。

繊維の細さは12.5ミクロン。

極めて細い繊維のため、ベビーカシミア以上の柔らかさと滑らかさを誇ります。ビキューナ生地で知られるロロ・ピアーナは、ビキューナを「神々の繊維」と表現しています。一生に一度でも、袖を通すことができれば幸せ!!という最高峰の繊維ですね。
コートでもスーツでも、自動車が買えるくらいの価格です。当店でも、めったに入荷いたしません。

ビキューナ一頭から採取できるのは200グラム。カシミアと同程度の採取量ですが、なにしろビキューナはその存在自体が希少。
60年代に乱獲によって数が激減したため、保護対象となっており、ワシントン条約にも記載があります。ペルー政府は、同じ個体から二年に一回しか採取しない、野生(半飼育状態含む)のビキューナから採取して野生に戻す、といった厳しい条件化での生産しか許可していません。現在はロロ・ピアーナなどが中心になって、毛を刈り取った後のビキューナを大切に飼育しているそうです。

ビキューナは大変希少なので、割合が少なくても入っているだけで価値がグッと上がります。写真は、カシミア90%、ビキューナ10%のロングコート。ロロ・ピアーナのタグが付いています。
ビキューナ混の洋服は、当店でも滅多に入荷いたしません。

スーツの最良の友、ウールの高級品とスーパー表記

希少性の高い繊維ばかり紹介しましたが、実際、スーツにはウールが最良という声も根強いです。
ウールの繊維の細さは、平均20ミクロンです。
しかし、ウールにもかなり細い繊維の高級品が存在します。

ウールの品質を表す目安として、みなさんご存じのスーパー表記があります。これも、繊維の細さを表したものです。スーパー80から10刻みになっており、繊維が0.5ミクロンずつ細くなります。つまり、スーパーの数字が大きいほど高級繊維ということです。

Super80’S 19.5ミクロン
Super90’S 19.0ミクロン
Super100’S 18.5ミクロン
Super110’S 18.0ミクロン
Super120’S 17.5ミクロン
Super130’S 17.0ミクロン
Super140’S 16.5ミクロン
Super150’S 16.0ミクロン
Super160’S 15.5ミクロン
Super170’S 15.0ミクロン
Super180’S 14.5ミクロン
Super190’S 14.0ミクロン
Super200’S 13.5ミクロン
Super210’S 13.0ミクロン
Super220’S 12.5ミクロン
Super230’S 12.0ミクロン
Super240’S 11.5ミクロン
Super250’S 11.0ミクロン

よく、「スーパー200’s」が高級ウール生地の代名詞とされます。
これは、スーパー200’sを越えるとカシミアよりも細い繊維になるためです。
スーパー210’s以上だとロロ・ピアーナやドラゴなど製造しているメーカーも限られていますし、一気に希少価値が高くなります。

もし、スーパー200’s以上のスーツを売るなら、絶対に専門店に査定に出すことをおすすめします。リサイクルショップや一般的なブランド買取店は、生地まで見てくれないことが多いのです。ブランド名と状態だけで判断されてしまうので、とんでもない破格で手放す羽目に。
当店でしたら、パッと見て生地の善し悪しがすぐにわかります。ぜひご相談ください。

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