靴を売る時のコツ。した方がいいこと、やってはいけないこと

屋外を歩いているのですから、靴は履けば当然傷みます。傷みや擦れ傷があるのは当然なので、そのまま査定に出してOK。小さい傷なら問題ありません。売る時のポイントは、軽いお手入れ、余計なことはしない、この二つです。

お手入れは普段通りに

少しでもきれいな状態の方が査定額はアップします。
普段通りのお手入れをしてください。

土や砂をブラシで落とし、軽くブラッシング。
クリーナーで汚れや古いクリームを落とし、
クリームで水分や油分をプラス。
仕上げは磨き。お好みでワックスを入れてもいいでしょう。
あまり気合いを入れて、クリームを付けすぎたり擦りすぎたりしてはいけないのも、普段のお手入れと同じです。トゥとヒールを中心に軽くで結構でございます♪

スウェード素材は、ブラシで汚れを払い、起毛を整える程度に。

やらない方がいいこと

かえって価値を減じかねないので、以下はしないでそのまま査定に出しましょう。

・補修（ヤスリがけ、パテ埋め、接着剤）
小さい傷ならご自身で補修したことがある方は多いと思います。しかし、やっていいのは色つきクリームで磨く程度まで。
紙ヤスリで削って磨いたり、パテ埋めしたりする方法がネットで紹介されていますが、売却用の靴ではやめましょう。
高級靴には、修理も磨きも専門のお店があります。レベルの高いお店では、ヨーロッパの靴修理店に研修に行ったり、タンナーから革の製造工程を学んでブランドごとに手入れを変えたりしています。
パーツを一つも取り替えずに新品同様にしてしまう技術には、息をのむばかりです。素人にはとても太刀打ちできません。
専門店にやっていただいた方が次の持ち主も嬉しいでしょうし、失敗したら元も子もないので、傷はいじらずに。

・補色
色落ちが気になっても、スタンダードな色つきクリームまでにとどめます。
部分的に着色する補修カラーは調色が難しいです。思わぬところに付けてしまって染みができることもあります。

コバは補色して磨くと見違えるほどきれいになるのですが、ここも補色はしないでください。汚れを落としたら、布で磨いてツヤを出す程度にしましょう。

・水洗い
最近は靴の水洗いが流行っていますが、あれは「これでダメなら捨ててもかまわない」という時の最終手段です。外側の汚れは通常の手入れで落ちるので、飼い犬が粗相をしてしまったとか、カビだらけで臭いが取れないといった、限られた場合しか必要ありません。

丸洗いすると水分と油分のバランスが崩れますし、乾燥する時にクラックが入りやすいです。やっぱり、革は水に塗れるといいことがありません。
特に、自分でやると栄養の与え方も乾燥のさせ方も案配がわかりません。
たまたまうまくいくこともあれば、大失敗することもあるので、大事な靴ではやらないが吉。

何回くらいまで履いた靴なら高く売れる？

30回未満の着用で、傷さえなければ「美品」と言えると思います。
だいたい30回くらい履くと、中物（コルクなどのクッション）の沈み込みが出るためです。靴は、脚の形に合わせて沈み込むことで馴染みます。クセが付く前の方が次の持ち主も嬉しいですよね。

売却する時は「30回も履いてないんですけど……」とさりげなくアピールしてみましょう。査定額アップのチャンスです。

小傷は問題ありません

つま先の擦れ、ソールの擦れは、軽度なら実は査定にそれほど響きません。
繰り返しになりますが、「下手にいじらず」が何よりです。
下の写真はレディースのパンプスですが、つま先に傷があります。この程度の傷なら、問題ありません。専門店が修理すれば、ほとんどわからない程度まで修復されます。

付属品をかき集める

シューツリー、箱、保存袋（シューバッグ）、替え紐、冊子、替えのビブラムのラバーなど、購入時についていた物はありたっけ集めましょう。
（もちろん本体しかなくも喜んで買い取りさせていただきます）
写真は当店で買い取らせていただいた、木製化粧箱に入ったステファノベメールです。ヤフオクではこの木箱だけで数千円で取引されているくらいで、箱にも価値があります。